医療機器業界の転職ノウハウ

5.薬事: 令和の今と将来は

1 解説 全般・薬事の今と将来

1-1 解説

2025問題が4年先のこととして視界に入った今、過度の高齢化と国内マーケットサイズの縮小を見据えての医療機器企業各社のそれぞれの施策が表面化してきています。 コンパクトな企業規模のままで今後も進めてゆくのか、国内市場のみならず広く海外をターゲット市場と捉えてグローバル展開を図ってゆくのか、この2択での施策がみて取れます。

そして、海外展開中のグローバル企業、もしくはグローバル化を目指す企業においては市場の確保の最大化、そして開発ラグ/審査ラグ等のドラッグ・ラグ解消を図るために、承認申請は、日本の承認機関であるPMDA(医薬品医療機器総合機構)とともに、FDA(アメリカ医食品医薬品局)およびEMA(欧州医薬品庁)の3つの組織に対し同時申請する必要が生じています。

そうしたことから、企業の薬事部門が担う重要度は質的・量的ともにますます高まっていると言えます。

1-2 医療機器のクラス分け

医療機器は、国際基準であるGlobal Harmonization Task Force (GHTF)に基づき、医療機器の人体に対する危険度に応じた国際的なクラス分けがされています。 日本では薬事法第2条第5項から第7項により医療機器が次の通り分類されました。

・一般医療機器(クラスⅠ)
・管理医療機器(クラスⅡ)
・高度管理医療機器(クラスⅢ、Ⅳ) 

3 薬事のポジションに就くには

薬事担当者は、絶対数に限りがあり、慢性的な人手不足です。

そして、薬事ポジションの中途採用は業界他社からの“スライド転職”が大半で上述の当該クラスでの5年以上の薬事申請経験が求められます。

この当該領域の経験に加え、PMDAのみならずFDA、EMAへの承認申請にも関わった経験、そして語学スペックの高い(TOEIC 750以上)人材は高確度で希望する企業へこの“スライド転職”が叶います。

他方、薬事未経験者を採用し育てたいとする企業も一定数存在します。

社会人経験3~5年ほどの理系の素養があり語学スペックの高い(TOEIC 650以上)人材が、その対象となります。この“理系の素養”については、“医学・薬学”であったり“電気・IT”、“材料工学”であったりと、その折の募集内容により様々です。

ちなみに、社内異動で薬事の職へ就く方は臨床開発部門もしくは製造技術部門の出身の方が多い印象です。 基本的に薬事には医学薬学の知識に加え、臨床開発と電気・材料等々を深く理解するためのスキルが必要ですのでこれら部門からの登用は必然かもしれません。

4 メディカルキャリアの薬事サポート

弊社メディカルキャリアは、医療機器企業およびCROとの長年の良好関係とネットワークを有しており、薬事部門で水面下で動いている求人情報をいち早くお伝えすることができます。

薬事のポジションへの転職を漠然とお考えの方でもお気軽にご相談ください。